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2022年 夢解きスクール秋学期 第2回 紹介

2022年 夢解きスクール秋学期 第2回 紹介

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2022年9月25日夢解きスクール秋学期講義第2回目「母性の二面性ー育む母性と滅ぼす母性ー」

(使用昔話「美しいワシリッサ」等)

テキスト「夢とおとぎ話による母親援助」第2章


神話や民話に語られている二面性

 ユング派では、子どもを守り育てていこうとする面―育む母性と、子どもの成長を阻止し、自分の思うようにならなければ吞み込んでしまうという恐ろしい面ー滅ぼす母性の二つの面があると考えている。

 私たちが良く知っている物語や童話にも、この二面性を語ったものが古今東西の国々にたくさんある。それらの多くのお話では、優しい母親が亡くなり、やがて恐ろしい魔女である継母が登場するという物である。そしてこれらのお話に対して、大人は残酷であり教育的ではないと否定的な見方をするのに比べ、子どもは怖がりながらも呼んでいる。あの有名なグリム兄弟は、ドイツのあちこちで語られている民話を「子どものための童話集」として発表した。その後日譚として、採取したお話の多くは実の我が子を殺したり、いじめたり、ひどい扱いをするものであったそうだ。そのようなお話は、子どもにとって残酷すぎると判断し、グリム兄弟が意図的に実の親と継母、つまり育む面と滅ぼす面に分離したのであった。

昔の人々は、母性は優しい面と子どもを呑み込むような恐ろしい面の両面を持っていることに気づいていたようである。例えばヒンズー教の女神カーリーとか、仏教の説話として知られている鬼子母の話など二面性を語っている。そして、地中海の沿岸で発症した古代の地母神の信仰では、人が誕生した時も死んだときも、その前を儀式をとりおこなったということが資料に残されている。また、日本の物語では、滅ぼす面として語られているのは山姥である。

以上のことについて、適宜絵本ギビングツリー等を提示しながら講義します。

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